現場見学会の記録(2024年)
RCCM資格試験・受験講座(2022年新規開始)
設計・施工の困りごと相談
工事技術調査の実務
工事技術調査の実績報告 2023年4月1日
工事技術調査のノウハウ公開 2020年4月16日
- 1.工事監査までの準備と準備資料
- 2.監査の全体像マインドマップ
- 3.工事技術調査 手順書
- 4.工事監査チェックリスト
- 5.工事概要調書
- 6.工事 対象書類
- 7.調査日程表
- 8.報告書・事例
技術士二次試験 受験講座
*小西 徹 受験講座(建設部門) 全資料公開
- 全資料公開のご挨拶
- 第30回・試験当日の心構え
- 第29回・必須科目択一模擬問題の正答解説
- 第28回・必須科目択一模擬問題
- 第27回・演習問題Ⅲ
- 第26回・問題Ⅲ答案の組み立て方
- 第25回・答案の組み立て方の解説・問題Ⅱ
- 第24回・答案用紙への書き方
- 第23回・トンネル
- 第22回・受験申し込み
- 第21回・鋼構造
- 第20回・建設環境
- 第19回・都市及び地方計画
- 第18回・土質及び基礎
- 第17回・河川砂防
- 第16回・コンクリート
- 第15回・道路
- 第14回・答案例の提示と解説
- 第13回・施工計画・施工設備・積算
- 第12回・能力向上へ向けて
- 第11回・必須科目Ⅰ・択一式試験への取り組み
- 第10回・文章、パラグラフの論理的な展開
- 第9回・パラグラフ
- 第8回・構造と要素
- 第7回・文章の基本原則
- 第6回・選択科目Ⅲへの取り組みまとめ
- 第5回・選択科目Ⅱへの取り組みまとめ
- 第4回・建設部門必須科目の取り組み方
- 第3回・調査・計画・準備
- 第2回・技術士とはどういう資格か
- 第1回・開講のご案内
建設技術研究会の議事録公開
*建設技術研究会の議事録公開
- 建設技術研究会の議事録公開のご挨拶
Photo&Guide
NPO西日本建設技術ネットでは、2018年12月6~8日に設立10周年の記念として、岡山県倉敷市から本四連絡道路の瀬戸大橋を経て、香川、愛媛の各県の土木遺産と丸亀城、松山城、そして帰路は、しまなみ海道を経て最後に錦帯橋(山口県岩国市)を見学しました。
各県の見学先での土木遺産のうち、旧霞橋、東西水門酒津樋門(共に岡山県)、満濃池(香川県)、大宮橋(愛媛県)を紹介します。
概要
旧霞橋は大正末期~昭和初期に鋼構造の橋梁技術の粋を結集して設計・架設された、13径間で橋長600mを超える、中国地方(岡山県・高梁川)の代表的な歴史的長大橋である。
その中で7径間の曲弦トラス橋の形は、周辺の山並みに溶け込み、地域の景観を構成する要素の一つとなっている。高梁川の河川改修工事が大正14(1925年)年に完了して現在の流路となり、国道2号のルート変更に伴って霞橋の建設が計画され、昭和元年に着工し昭和3年(1928年)に開通している。その後自動車の大型化や交通量の増加に対応して下流側に昭和43年(1968年)に新橋が架けられ、この橋は旧霞橋として昭和60年(1985年)から歩行者・自転車用の橋(側道橋)として利用されている。
形式: 下路曲弦ワーレントラス 7径間
単純鋼板桁 6径間
諸元: 橋長616m 幅員6.4m
文化財等指定:くらしき百景、日本の近代土木遺産2800選
所在地: 岡山県倉敷市玉島上成~同市連島町西之浦 (高梁川)
概要
倉敷市の高梁川東西用水の酒津樋門は、当時の最先端のコンクリート技術を採用して造られた、日本最大の農業用配水樋門で大正13年(1924年)に完成している。高梁川から取水樋門を通って一旦配水池に流れ込んだ水を、八ヶ郷・山根川・中川・三番川・浜川の各用水路に配給する北配水樋門と、倉敷・備前樋・南部・西部・西岸の各用水路に配給する南配水樋門からなる。
鉄筋コンクリート構造の樋門でありながら石を飾りにあしらい、特に南配水樋門は総計15連のゲートを持ち、現存する樋門としては国内最大級の端麗な構造物である。
この地域の構造物は、江戸でも昭和でも時代に関係なく、特産の花崗岩等、豊富にある石材を利用した構造物が自然に作られ続けていたが、本施設は、当時まだ希少ない 鉄筋コンクリート構造物で、この地域においては特殊な構造物であった。
現在、この酒津配水地周辺は、桜の名所として知られている酒津公園が整備され、広く市民や観光客に親しまれている。
諸元:取水樋門:扉幅1.36m(7門)
南配水樋門:扉幅1.76m(15門)
北配水樋門:扉幅1.70m(6門)
構造:鉄筋コンクリート
文化財等指定:経済産業省 近代化産業遺産 土木学会選奨土木遺産
概要
満濃池は香川県にある日本最大の灌漑用溜池(アースダム)である。この溜池は、阿讃(あさん)山地を源流とする金倉川の狭窄部を701年~704年頃からアーチ型の土堰堤で堰き止めて創設され、その後821年に、弘法大師・空海が唐で学んだ土木技術を駆使して改修を施したと伝えられる、歴史的な価値も高い溜池である。1300年経た現在も変わらずに水を湛え、丸亀平野への水源となっている。
手を広げたような形の満濃池の貯水量は、1870年に584万6千m3だったものが、3度の嵩上げ工事によって、現在では東京ドームの12.4杯分に相当する1,540万m3を湛えるまでになった。その大きさは、土堰堤の堤長155m、堤高32m、周囲19.7km、最大水深30.14m、満水面積138.5haの規模を有するまで増大した。
満濃池は、歴史的に干ばつと洪水を繰り返した丸亀平野において、時には人々の生活の一部として稔りを与え、時には自然の猛威として人命をも奪う土堰堤の決壊を繰り返してきた。満濃池は、まさに「命の源」として、多くの人々に支えられ、現在でも大きな存在感を漂わせている。北東岸に接する丘陵地は「国営讃岐まんのう公園」として整備され、豊かな自然に人々が集う場所となっている。
香川県内の代表的な溜池は、大きな順に「満濃太郎」「神内次郎」「三谷三郎」と呼ばれ、それぞれ人々の命をつなぐ溜池として地域の生活を支えてきた。
所在地: 香川県仲多度郡まんのう町
型式: アースダム(金倉川)
完成年: 第三次嵩上げ工事及び天川導水路完成 昭和34年
文化財等指定: ダム湖百選 樋門は登録有形文化財
概要
大宮橋は昭和2年(1927年)に建設された、比較的初期の鉄筋コンクリート開腹アーチ橋で、装飾に工夫がされているなどデザイン性に優れている。
山奥のあまり目立たない場所に架かっているにも関わらず、芸術的で美しい橋である。巨石がごろごろしている渓谷を一跨ぎにする力強いアーチと、その上部で床を支える列柱のリズムや優れたディテールが、渓谷美とみごとに調和している。また、近くで見ると、列柱上部も小アーチになっており、細かいところまで非常に丁寧にデザインされていることがわかる。それは普通の橋のデザインのレベルを大きく超えて、格調高い建物のデザインにも負けていない。
コンクリートは型枠に生コンを流し込んで造るものであるから、曲面を造り細かな凹凸を造るには、それを反転した形の型枠が必要になるが、これは単純にまっすぐなものを造るよりもはるかに難しい。また、列柱上部の小アーチ群は、橋の強度的には大きな意味はないので、普通なら、橋の外側のよく見える部分だけをアーチ状にし、内部の見えづらい部分は省略するところである。しかし大宮橋の開腹アーチ内部の柱列では、桁下からよく見ないとわからないようなところまで(いったい誰がわざわざ谷底まで降りて、桁裏を眺めるというのか)見事な局面で仕上げられている。このような曲線を多用した優れたディテールを実現するには、当時の型枠職人の大変な手間と、かなりの建設費を要したはずであり、この橋の建設に対する関係者の意気込みの強さ、大きさがひしひしと伝わってくる。
大宮橋は、県道12号西条久万線を西条市街地から南へ四国山地に分け入り、石鎚山ロープウエイ登山口乗り場を経て、山道を少し登ったところにある。
諸元: 橋長42.9m、幅員4m
形式: 開腹式鉄筋コンクリート上路アーチ橋
竣工年:昭和2年(1927年)
所在地:愛媛県西条市西之川乙(加茂川) 愛媛県道(主要地方道)12号西条久万線
文化財等指定:土木学会選奨土木遺産
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